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第4回 日本国際歯科大会聴講記

文責 山本 達郎(横浜市保土ヶ谷区開業)2002.10.18−20 パシフィコ横浜

4年に一度 オリンピックさながら 歯科の国際シンポジウムが再び横浜の地で開催されました。見どころはたくさんありましたが、YOKOHAMAレポートとして印象深いものを取り上げてみました。
18日(金)の1時よりの開催でした。LDAに所属している以上 これは絶対に聞き逃せない!というのが「漂白と審美歯科最前線」とタイトルされたホワイトニングのシンポジウムです。講演者はビル・ドーフマン、ヴァン・B・ヘイウッド、松尾通、東光照夫です。まずドーフマンからいきましょう。
ドーフマンはディスカスデンタル社社長であり、同時にハリウッドにオフィスをもって女優などの審美治療を数多く手がけている開業医でもあります。米国において10数年の臨床実績のあるホームホワイトニングについて、臨床医の立場で患者へホワイトニングを売り込むための耳より情報は!という・・マクドナルドを引用した実践的な話も聞くことができました。講演の概要はホームホワイトニングのトレー装着による知覚過敏の問題。失活歯のホワイトニングにホームホワイトニング剤を使用している現状と術式のポイント。レザボアの省略について、タバコによる着色は早期に改善するが、テトラサイクリン変色歯は難しい等これまでの米国におけるホームホワイトニング治療の実際を総括したような講演でした。しかし、なにより印象的だったのは俳優のような風貌で自信のかたまりのような態度、性格も明るく能弁で積極的な生き方をしているまさに「生きる姿勢」だったような気がします。
ドーフマンのあとは注目のヘイウッドの講演です。ヘイウッドはホームホワイトニングの生みの親として知られている学者です。しかし、今回は薬剤の仕組み・効果といった講演ではなく、ヘイウッドが推奨しているホームホワイトニングのやりかたの説明とその及ぼす効果についての話が大部分でした。ヘイウッドは10%の過酸化尿素が推奨ということで「濃度が高いからいいとは限らない」と言っていました。またトレーの形態も 通常我々が見慣れているスキャロップタイプのほかに歯肉縁をたっぷりと覆うノンスキャロップタイプ 前歯がスキャロップタイプ臼歯がノンスキャロップタイプの形をしたハイブリッドタイプという3種類のトレーの形体を解説していました。ヘイウッド自身はノンスキャロップタイプが推奨のようです。ところで、講演中驚いたことにヘイウッドの臨床では患者の50%が上顎だけのホワイトニングで満足して終了するそうです。これには同席したドーフマンは自分のオフィスの場所柄ありえない・・と言っていました。日本人の私も驚きました。米国だから何もしなくても審美歯科は儲かるわけではなさそうです。営業努力をしないといけないことを期せずして教わりました。
ホワイトニングもそうでしたが今回のシンポジウムでは審美歯科の大物スペシャリストの来日が目立ち、特にJ.C.コイス、R.ウインター、G.J.シーシェさらに「取り」はゴールドスタインという組み合わせは素晴らしい演出だったのではないでしょうか?そうした中で日本人の演者では、時間は短かったものの山崎長郎のプレゼンテーションは効果、インパクトともに全く彼らにひけをとらない立派なものだったと思います。
 ゴールドスタインは著書「笑顔を変えてみませんか」の記述の中で、歯だけの配列・形態の改善だけではなく顔全体の整形およびコスメティックの改善の要素をすべて審美歯科の領域であるとして、オフィスへ来る患者は単にレジン充填だけでやってくるような患者はひとりもいないと言っていました。今回の講演ではさまざまな手法で笑顔を魅力的に変貌させた症例を提示し審議歯科というものは「こういうことをすることなのだ」という思想を日本の歯科医師へ改めて啓蒙しようとしていたように感じられました。
4年前の第3回国際歯科大会ではM.アムステルダムがメイン会場、H.H.タケイ P.D.ミラー等米国の著名な歯周病専門医の大家がどっと押し寄せました。また、当時はシーシェも目新しく術式自体が注目だったと記憶しています。今回とは時代の変遷を感じました。2006年はどういうジャンルが主流を占めるのか?我々LDAのメンバーがその潮流を作れるか?今後の課題とともに楽しみができたように思います。

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